きむら内科クリニックの院長 木村新平は内科の中でも特に循環器内科を専門としています。
循環器というと村上の方からは聞きなれない方もいるかと思います。
循環器は心臓や血管の病気のことを指します。
心臓病には狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、心臓弁膜症などがあります。
動悸、息切れ、胸の痛みがある方、健診や人間ドッグで心電図に異常を指摘された方はお気軽にご相談ください。
心臓は電気が流れることで、心房→心室と順番に一定のリズムで収縮しています。
ところが何らかの理由で電気回路に異常が起こると不整脈がおこります。
よく不整脈は病名だと思っている方がいますが、不整脈は脈が乱れた状態のことを指しているだけです。
不整脈の中には様子を見ていていいものから、起こった瞬間心臓が止まってしまうものまでさまざまな種類があります。
症状は動悸、息切れ、めまい、失神などがおこりますが、全く自覚症状がない方も少なくありません。
普段心臓は心房、心室と順番に収縮して規則正しくポンプの働きをしています。
心房細動は心房の収縮がなくなって震えてしまう(細動)不整脈です。
若い人にも起こることはありますが、60歳代から急に患者さんの数が増えます。発作的に心房細動が起こる患者さんもいれば、ずっと心房細動が続いたままの患者さんもいます。
日本には100万人以上の患者さんがいると言われており、80歳以上では10人に1人は心房細動をもっているとも言われています。
心房細動は治療にあたり注意しなければいけないことが2つあります。
脈拍が乱れることで動悸や息切れ、めまいなどを引き起こします。無症状で健診の心電図で指摘される患者さんもいます。脈拍が1分間に100回以上の頻脈になること多いですが、徐脈(脈拍が1分間に50回以下)になることもあります。症状や脈拍に応じて脈拍をゆっくりにする薬や発作を予防する薬、発作を停止する薬を使った治療があります。近年カテーテルアブレーションという心房細動を根治させる治療が拡がっています。太ももなどの血管から心臓に細い管をいれて心房細動を起こしている異常な心臓の電気信号の発生源を焼いたり凍らせたりするカテーテル手術です。徐脈になる患者さんの中にはペースメーカ治療を検討することもあります。
震えた心房では血流が停滞して固まりやすくなり、血栓ができる患者さんがいます。血栓がはがれて血流に乗って脳に運ばれ、血管を詰まらせると脳梗塞になります。心房細動だけでは命にかかわることは多くはないですが、脳梗塞が合併すると半身麻痺などの重大な後遺症を残したりや死亡することもあります。心房細動の患者さんみんなが脳梗塞を起こすわけではありませんが、起こしやすい人がいます。
●高血圧
●75歳以上
●糖尿病
●心不全になったことがある
●脳梗塞になったことがある
以上のうち一つでもあてはまる心房細動患者さんは脳梗塞の危険が高いので抗凝固療法(いわゆる血液をサラサラにする薬)を行います。抗凝固薬は出血が止まりにくくなるため抜歯や手術の際などには注意が必要です。
下記検査を病状に応じて行います。
●心電図
●胸部レントゲン写真
●心エコー検査
●一般血液検査(薬の適応や容量設定に必要です)
●ホルター心電図検査(電極を胸の5ヵ所に付け、1日分の心電図を記録する検査)
●甲状腺機能検査(甲状腺疾患の中に心房細動を合併することがあります)
●BNP検査(BNPは長時間心臓に負担がかかると主に心室から分泌されるホルモンで、血液中の濃度を調べることで心不全や心肥大など心臓病の早期発見が可能となります。)